ヘアドネーション 4団体の比較

コロナで長く美容院に行けず結構伸びた髪を、ヘアドネーションして再利用(Reuse)してもらおうと思い、31cm以上の髪が切れるように髪を伸ばしました。ヘアドネーションとは、自分の髪を寄付して、医療用ウィッグの作成に使ってもらって、それを様々な病気が原因で医療用ウィッグを必要とする子供たちに無償で提供するもの。現在、日本にはヘアドネーションの団体がいくつかあり、4団体を比較。

つな髪

私が通う美容院の提携先。医療用ウィッグメーカーがCSRの一環としてヘアードネーションを行っています。運営元は、株式会社グローウィング。オーガニックコットンをベースに使用したウィッグも生産しています。そのため、CSRで提供される物は、こちらの製品から。自分の通う美容院もオーガニック系なので、納得の提携先。フルウィッグを作ることが想定されているので31cm〜のヘアドネーションを求める団体が多い中、こちらは帽子ウィッグも作っているので、15cm〜のヘアドネーションも可能。ただ、こちらは長さではなく、寄付できる髪に規定があります。より自然な医療用のウィッグにするため、薬品による、染色やストレート加工と言った髪の処理をせず、殺菌と消毒のみの処理で医療用ウィッグを製作しています。そのため、髪の色が明るすぎる、白髪、くせ毛、パーマ、カラーリング(白髪染め含む)と言ったそのまま加工ができないものは規定外になってしまうのです。受け取り後、髪色や髪質で子供用ウィッグには使用できないと判断されたものは、医療用ウィッグ専門美容師のカット練習用のウィッグ製造に活用されます。

私の髪は、白髪混じり。白髪は取り除いてくださいとあったので、取り除こうと思ったのですが、結構な量の白髪がありました。なので、このまま送って、練習用ウィッグにしてもらうことも考えましたが、最終的に、役に立つとは言え、やぱり可能であれば、子供のためのウィッグになるヘアドネーションをしたいと考え、他の組織を探し始めました。

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JHD&C

JHD&D(ジャーダック)は、Japan Hair Donation & Charityの略称。ヘアドネーションの日本の老舗で、一番有名な団体。こちらは企業のCSR活動の一環ではなく、NPO法人(特定非営利活動法人)としてのステイタスのある団体。ヘアドネーションを公的・非営利活動として実施しています。こちらの団体に寄付できる髪は、31cm~なら、カラー、パーマ、ブリーチヘア、白髪、くせ毛もOK。アデランスや花王と言った、企業ともコラボしています。こちらのウィッグはタイのアデランス工場で製造されていて、その様子が見れるビデオがYouTubeにアップされています。職人さんの技術がすごい。工程のビデオでは、ある程度きれいにまとまった髪を剣山で梳かすところからビデオが始まるので、その前に髪にどんな加工をするのか不明ですが、別のビデオで、職人さんが赤色や黒色の髪の色をうまくミックスすると言っているので、色は色分けして染めてまとめているのかな?っと思っています。あと、まとめた髪に軽くパーマをかけるたりしているので、このあたりの加工処理のお陰で、長ささえあれば、様々な髪質OKなのでしょう。毛束の中の31cm未満の髪は、ヘアケア商品開発ようの評価毛や美容師練習用のカットマネキンの素材として販売されて、ウィッグ提供費用の一部に充てられているそうです

HERO

こちらもNPO法人。2011年の東日本震災を機に、子供たちを勇気づけるため、オリジナルヒーローと共に、子供のための活動を開始して、2016年~子供のための医療用ウィッグ製造のためのヘアドネーションを行っています。こちらの団体に寄付できる髪は、JHD&C同様の31cm~、カラー、パーマ、ブリーチヘア、白髪、くせ毛、OK。31cm未満の髪もJHD&C同様、評価毛やカットマネキンの素材として販売して、ウィッグ製作費の一部に充てられているそうです

スマイルプロジェクト

こちらは理美容師の任意団体Ribinet(りびねっと)が実施しているヘアドネーションのプログラム。Ribinetはヘアドネーション以外にも、在宅訪問理美容の普及活動や地域貢献を目指した活動を実施したり、理美容室で破棄されるカラーチューブをリサイクルして、リサイクル費用をこのスマイルプロジェクトに還元しています。こちらの団体に寄付できる髪は、15cm~、カラー、パーマ、ブリーチヘア、白髪、くせ毛、OK。ただ、こちらの団体は、15cm~と30cm~でヘアドネーションされた髪の活用が異なります30cm~の髪は、日本かつら協会と工場協力のもと、子供用医療ウィッグの素材となります。15cm~30cmの髪は、漆刷毛職人さんとコラボして、漆刷毛(うるしはけ)の素材となります。日本の伝統工芸品、漆工芸品を作成する刷毛に人毛が使用されているとは知りませんでした。個人的に、なかなか面白い取り組みだと思います。

〈まとめ〉

15cm~30cmの髪

31cm~

私の髪は、地毛でストレート、ちょっと茶色い感じです。ただ、白髪混じり。今回は、コロナの影響で美容院に行くことを長く控えた結果、これまでにないほどの長さになり、ヘアドネーション用の髪32cmぐらい取れましたせっかくなので子供用医療ウィッグに活用してもらいたいと思い、美容院連携のつな髪以外の団体も調べて、今回は老舗のJHD&Cにヘアドネーションさせてもらいました。何故なら、今回初めてのヘアドネーションで色々なことが分からなかった中、サイトで丁寧に説明してもらい、ビデオを見てどのような加工がされるのか、そしてどの様に郵送するのが一番受け取り手に都合がよいのかが分かりやすかったからです。長い歴史があり、大手の賛同企業がついている団体だからできる技なのかもしれません。

ただ、31cm以上伸ばすのは結構大変でした。髪を洗うのも乾かすのも大変。生活にも長い髪は邪魔で、常に髪を結構高い位置で結んでぐるぐる巻いていました。なので、しばらくは31cm以上のヘアドネーションには参加できないかなと思っています。もちろん子供たちのことも大事だけど、日本伝統工芸に貢献するのもいいなと考えているので次は15cm~30cmの漆刷毛ヘアドネーションをしているスマイルプロジェクトにしようかな?と考えています。